1. そもそも「老後」とは?
「老後」という言葉を聞くと、収入がなくなり、節約しながら生活する期間というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、最近では「第二の人生」や「セカンドライフ」といった前向きな表現も増えています。
一般的に65歳以降、会社を卒業し公的年金を受け取り始める時期を「老後」と考えることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
- 仕事を楽しく続けて収入を得る
- 趣味や社会活動を楽しみながら、自由な時間を大切にする
つまり、「老後」は人生の新しいステージであり、その過ごし方は人それぞれです。
とはいえ、収入が減ることは避けられないため、経済的な準備は欠かせません。
そこで重要になるのが、「会社を辞めた後の収入源」をどう確保するかという視点です。
2. 会社を辞めた後の収入をどうする?
リタイア後は公的年金が主な収入源になりますが、現実問題として年金だけで生活するのは難しいことが多いです。
例えば、一般的な夫婦(大卒の会社員と専業主婦)の場合、年金の合計額は年間265万円(手取り約226万円)ほどと言われています。
対象者 | 平均年収(現役時代) | 国民年金(月額) | 厚生年金(月額) | 合計年金(月額) | 合計年金(年額) | 手取り(年額) |
---|---|---|---|---|---|---|
夫(会社員) | 550万円 | 6.2万円 | 9.7万円 | 15.9万円 | 190.8万円 | 159.8万円 |
妻(専業主婦) | 0万円 | 6.2万円 | 0.0万円 | 6.2万円 | 74.4万円 | 66.4万円 |
夫婦合計 | – | – | – | 22.1万円 | 265.2万円 | 226.2万円 |
また、物価上昇や年金の仕組みの変化を考えると、今の年金制度が将来も同じ水準で続くとは限りません。
だからこそ、年金以外の収入を確保することが大切なのです。
定年後の主な収入源は4つ
✅ メリット | ❌ デメリット | |
給与収入(再雇用・バイトなど) | 働いた分だけ確実に収入が得られる | 体力的に負担がかかる 希望する仕事が見つからない場合も |
事業収入(Webビジネスなど) | 自分のペースで働ける やりがいがある | 収益化まで時間がかかる 需要のない分野では収益しにくい |
資産収入(投資の配当・不動産収入など) | 不労所得が得られる | ある程度の資産が必要、 相場変動・為替変動によるリスク |
貯蓄の取り崩し(預金・退職金など) | 必要なときにすぐ使える | インフレの影響で価値が目減りする |
どの収入源も一長一短ですが、組み合わせることでデメリットを補えるのがポイントです。
例えば、
- 退職金の一部を現金で確保し、緊急時の資金として備える
- 資産運用を活用し、安定的な配当収入(月10万円)を目指す(必要資産3750万円)
- 副業や小さなビジネスを始め、継続的な収入を確保する
会社員の間に副業を始めておけば、定年後も収入の柱の1つとして活用できます。
3. これからの生活費をどうコントロールする?
現役時代は「リタイア後の生活費なんてまだ先の話」と思いがちですが、収入が減る時期に備えて支出を見直すことも大切です。
特に50代は収入が最も高くなる一方で、支出も増えがちな時期です。
住宅ローンの完済や子どもの独立が見えてくるタイミングですが、気づかぬうちに生活レベルを上げてしまうと、後々の負担が大きくなります。
意識したい支出の見直しポイント
無駄な浪費を減らす(ブランド品・衝動買いなど):特に「自分へのご褒美」としての高額な買い物には注意
固定費の見直し(通信費・保険・車の維持費など):格安SIMへの変更、不要な保険の解約など、
サブスクの整理(本当に必要か見直す):使っていないサービスがないかチェック
「生活水準を落としたくない」と思うかもしれませんが、無駄な支出を減らすことは、案外気持ちのいいものです。
少しずつシンプルライフに移行し、無理のない暮らし方を考えていきましょう。