会社員として働く以上、仕事に費やす時間は避けられません。
特に管理職ともなると、業務の責任は増し、自由に動ける時間も限られてきます。
しかし、その限られた時間を「楽しい」と感じるか、「苦痛」と感じるかは、自分の時間の使い方次第です。
この記事では、会社で過ごす時間を充実させるための時間管理術について考えてみましょう。
1. 仕事時間の種類:4つの時間の使い方
1年ほど前に読んだ『このプリン、いま食べるか? ガマンするか? 一生役立つ時間の法則』という本に、時間の使い方を4つに分類する考え方が紹介されていました。
幸福の時間 | やりたいことをして、喜びを得られる時間 |
投資の時間 | 将来のためにスキルを磨いたり、努力をする時間 |
役割の時間 | やらなければならない義務を果たす時間 |
浪費の時間 | 無意識に過ごしてしまい、ムダだと感じる時間 |
この考え方を会社での時間に当てはめてみると、次のようになります。
幸福の時間 | 自分がやりたいと思う仕事に取り組んでいる時間 |
投資の時間 | 新しいスキルや知識を身につけるための時間 |
役割の時間 | 担当するミッションや部下管理に費やす時間 |
浪費の時間 | やらされ仕事や、意味を感じない業務に使う時間 |
この4つの時間のバランスをどう取るかが、会社時間を楽しくするカギとなります。
そもそも、自分がやりたいと思える仕事を担当しているかというポイントも大きな要素になります。
2. 50代管理職の時間の使い方と課題
年齢を重ね、管理職になると、時間の使い方も変わってきます。
例えば、20代・30代の頃は「投資の時間」が多く、スキルを磨くために積極的に学ぶ姿勢が求められます。
一方、50代になると、業務の責任が増し、「役割の時間」の割合が大きくなります。
しかし、この役割の時間ばかりが増えると、仕事は「やらなければならないこと」に追われるばかりになり、楽しさが失われてしまう。では、どうすればいいのでしょうか?
ここでは会社時間をいかに気持ちよく過ごすかということに視点をおいて考えてみます。
3. 会社時間を充実させるための時間管理術
① 「浪費の時間」を極力減らす
「浪費の時間」を最小限に抑えることが会社時間を気持ちよく過ごすための一つのポイントとなります。
やらされ感のある業務や無意味なルーチンワークに時間を費やすと、モチベーションが低下し、ストレスの原因にもなります。
理想はこうした作業をなくすことですが、どうしても避けられない場合は工夫が必要です。
例えば、形式的な社内会議や不必要な資料作成などが挙げられます。
ただし、「形式的」や「不必要」と感じるかどうかは主観的な部分も多く、周囲と認識が異なる可能性もあります。
そのため、こうした時間を有効活用する工夫を取り入れることで、単なる浪費を意味のある時間へと変えることができます。
AIや自動化ツールを活用する | AI化の検討 | 幸福の時間(AIの現場実装は面白い) 投資の時間(AIスキルの習得) |
業務フローを見直し、不要なプロセスを削減する | AIがしやすい作業フローに変更 | 幸福の時間(AIの現場実装の一環) |
部下に権限を委譲し、自分がやらなくていい業務を減らす | 部下に学ばせ成長する機会を提供する | 役割の時間(管理職のミッション) 幸福の時(部下が成長してくれれば) |
浪費の時間を「幸福の時間」「投資の時間」「役割の時間」に変換することが最も効率よく「浪費の時間」を抑える方法になります。
② 「役割の時間」は最低限に抑える
管理職としての役割は避けられないが、すべてを自分で抱え込む必要はありません。
特に、部下の管理業務は「必要以上に細かく関与しない」ことがポイントです。
部下に権限を与え、仕事を任せることで、自分がやるべき業務を減らすことができます。
また、部下には「形式的な仕事」を見極め、本当に必要なものだけに集中するようにどうすればよいかを考えてもらうのも「役割の時間」を気持ちよく過ごすためには必要です。
③ 「投資の時間」を意識的に確保する
50代になると、新たなスキルを学ぶ機会は減りがちと言われています。
しかし、業務の変化に対応するためには、少なからず「投資の時間」も必要になります。
例えば、最近はホワイトカラー業務全般にAIが実装されつつあります現在は多くの企業で試行錯誤しながら導入が進められている段階ですが、実務面でのAI実装は50代の事務系管理職にも意外と相性が良く、興味を持って取り組める分野だと感じられます。(このテーマについては、別の投稿で述べたいと思います)
このように、「未知のこと」にチャレンジする時間は、仕事のマンネリ化を防ぐだけでなく、新しい価値を生み出すきっかけにもなります。
「新しいことに挑戦する時間」を意識的に確保することが、仕事時間を楽しくする秘訣の一つになります。
④ 「幸福の時間」を最大限確保する
最終的に目指すべきは、「幸福の時間」を増やすことになります。自分が本当にやりたい仕事に集中できる時間を増やせば、会社で過ごす時間が充実したものになります。
例えば、AIの業務実装に取り組んだり、新しいプロジェクトに関わることで、「仕事が楽しい」と感じる時間を増やせます。
ただし、「幸福の時間」が会社の方針とズレていないかは注意が必要です。自分が楽しいと思ってやっている仕事でも、上司や経営層から「無駄なことをしている」と判断されると、摩擦が生じてしまいます。
そのため、「自分がやりたいこと」が「会社の方針」からズレすぎないようにバランスを取る必要があります。
4. まとめ:時間の使い方を意識すれば、会社時間はもっと楽しくなる
会社で過ごす時間を気持ちよく充実させるためには、以下のような工夫が重要になります。
✅ 浪費の時間を減らし、やらされ仕事を意味のある時間に変換する
✅ 投資の時間を意識的に確保し、新しい挑戦をする
✅ 会社の方針も視野にいれつつ、幸福の時間を最大限確保する
限られた時間の中で、いかに「楽しく、充実した時間」を作るか。それこそが、会社時間を楽しくできるといいですね。