【完全ガイド】Automatic1111の使い方

Automatic1111は、画像生成AI「Stable Diffusion」をローカルPCで動かす際に最も広く使われているWEB UI (ユーザーインターフェース) の一つです。この記事では、Automatic1111の環境構築から、初期設定、主要な画像生成パラメーター、そして魅力的なAI美女画像を生成するための具体的な操作方法を詳しく解説します。

1. Automatic1111の環境構築とインストール

Automatic1111の利用には、NVIDIA製GPUが搭載されたPCが必要です。

インストール方法（Stability Matrixを利用）

Stability Matrixは、PythonやGitの個別インストールが不要で、Automatic1111の環境構築を自動化してくれる便利なツールです。

公式サイトからStability Matrixをダウンロードし、インストールします。
Stability Matrixを起動し、UIの一覧から「Automatic1111」を選択してインストールを開始します。

2. Automatic1111の初期設定

Web UIが起動したら、画像生成を行う前に以下の初期設定を行います。

モデル（チェックポイント）とVAEのインストール

画像生成の元となるモデルと、色合いやディテールを調整するVAEをインストールします。

CivitaiやHugging Faceなどのサイトから、使用したいモデルとVAEファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたモデルファイル（.safetensors, .ckptなど）は、Automatic1111インストールフォルダ/models/Stable-diffusionに保存します。
ダウンロードしたVAEファイルは、Automatic1111インストールフォルダ/models/VAEに保存します。

VAEとClip Skipの設定（UI上での操作）

これらの設定項目は、デフォルトではUIに表示されていない場合があります。

Automatic1111の画面上部にある「Settings」タブをクリックします。
左側のメニューから「User Interface」を選択します。
「Quick setting list」のテキストボックスに、sd_model_checkpoint（モデル選択用）、sd_vae、Clip stop at last layersと入力し、カンマ区切りで追加します。
画面上部の「Apply settings」ボタンをクリックし、さらに「Reload UI」をクリックしてUIを再読み込みします。

これにより、画面上部のモデル選択プルダウンメニューの隣に、VAEとClip Skipの設定項目が表示されるようになります。

3. 主要な画像生成パラメータの操作

Automatic1111の画面上部にある「Text to Image」タブが画像生成のメイン画面です。

モデルとVAEの選択

モデル選択: 画面左上のプルダウンメニューから、使用したいモデル（チェックポイント）を選択します。
VAE選択: モデル選択の右側にある「VAE」プルダウンメニューから、インストールしたVAEを選択します。SDXLモデルの場合はSDXL専用のVAEを選びます。

プロンプト入力

画面中央にある2つの大きなテキストボックスで、プロンプトを入力します。

Prompt（プロンプト）: 生成したい画像の指示を入力します。高品質な画像を生成するために、「masterpiece, best quality, ultra detailed」などの品質向上キーワードを冒頭に記述することが推奨されます。
Negative Prompt（ネガティブプロンプト）: 生成してほしくない要素を入力します。bad anatomy, deformed, low qualityなど。

主要パラメーターの設定

画面右側の設定セクションで、主要なパラメーターを調整します。

Sampling Method（サンプリングメソッド）: ドロップダウンメニューから選択します。
- Euler A: シンプルで高速な生成に適しています。
- DPM++ 2M Karras: 高品質な画像生成に適しています。
Sampling Steps（サンプリングステップ数）: 20〜40の間で調整します。スライダーまたは数値入力で行えます。
Width / Height（画像サイズ）: 生成する画像の縦横サイズをピクセル単位で指定します。SDXLモデルの場合は1024×1024を基準とします。
CFG Scale（CFGスケール）: スライダーまたは数値入力で調整します。7が標準的で、5〜10の範囲で調整します。
Seed（シード値）: 通常は「-1」に設定しておきます。

Generate（生成）ボタン

設定が完了したら、画面右上の「Generate」ボタンをクリックして画像生成を開始します。

4. 高画質化機能と拡張機能の操作

生成された画像をさらに高品質にするための機能です。

Hi-res fix（ハイレゾフィックス）

小さい画像を拡大・高画質化する機能です。「Text to Image」タブの画面右側にある「Hi-res fix」セクションのチェックボックスをオンにして有効にします。

Upscaler: 拡大アルゴリズムを選択します。
Denoising strength: ノイズ除去の強さを調整します。通常は0.5〜0.7程度が推奨されます。

リファイナー（Refiner）

SDXLモデルで使用されるディテール向上機能です。

SDXLモデルを選択すると、「Hi-res fix」セクションの下に「Refiner」セクションが表示されます。
「Enable Refiner」にチェックを入れます。
Refiner: プルダウンメニューからインストール済みのリファイナーモデルを選択します。
Switch at: ベースモデルからリファイナーモデルに切り替えるタイミング（サンプリングステップの割合）を設定します（デフォルトは0.8）。

ADetailer（拡張機能）

顔などの崩れを修正する拡張機能です。「ADetailer」セクションのチェックボックスをオンにして有効にします。

Model: 顔検出モデル（例：face_yolov8n.pt）を選択します。

LoRA（Low-Rank Adaptation）

特定のスタイルやキャラクターを反映させる追加モデルです。

Automatic1111インストールフォルダ/models/LoraにLoRAファイルを保存します。
プロンプト入力欄の下にある、花札のようなアイコン（または「Show/hide extra networks」ボタン）をクリックします。
表示されたウィンドウから「LoRA」タブを選択し、使用したいLoRAモデルをクリックすると、プロンプト欄に追加されます。
プロンプトに追加されたLoRAの記述の末尾にあるウェイト値（例：<lora:model_name:1.0>）を調整して、適用強度を変更します。

これらの操作手順を参考に、Automatic1111で画像生成を楽しんでみてください。