FRL 自由研究ラボ

自作アプリ紹介 — APP 07

公開サイトへの送信

— 手元のホームページを、確かめてから公開する —

ホームページは、手元の Mac にあるだけでは、ほかの人には見えません。公開用の置き場へ送る(アップロードする)ことで、はじめて見えるようになります。この送る操作は、取り返しがつきにくいので、「確かめてから・必要なものだけ・消さずに」を仕組みにした、自分専用の道具を作りました。

この記事を読むとできること

  • 「アップロード」とは何か、なぜ慎重にするのかが分かります
  • 送る前の確認の考え方(集める・下見・許可した種類だけ・消さない)が分かります
  • 公開したあとに困らないための備えが分かります

想定している使い方

APP 06 で紹介したやり方で作ったホームページを、公開する場面を想定しています。この記事の説明は、すべて Mac を前提にしています。コードは載せていません。公開先の名前や、接続のための細かい設定は、この記事には書きません。

  1. 公開サイトへの送信とは何か
  2. 送る流れ ―― 集める・下見・送る
  3. 何を送るか ―― 許可した種類のファイルだけ
  4. 下見と、消さない設計
  5. 公開後に困らないための工夫
  6. 使ってみて変わったこと
  7. 関連する項目

読む目安:約7分 ・ 自作アプリ紹介 APP 07 ・ 図3枚

公開サイトへの送信とは何か ―― なぜ、送る操作を慎重にするのか

公開サイトへの送信は、手元の Mac にあるホームページのファイルを、インターネットから見える公開用の置き場(レンタルサーバー)へ送るための、自分専用の道具です。

手元の Mac の中にあるホームページは、自分にしか見えません。インターネットの向こうの人にも見せるには、24時間つながっている公開用の置き場(レンタルサーバー)へ、ファイルを送る必要があります。この「送る」ことを、アップロードと呼びます。

送る操作で気をつけたいことは3つあります。見せるつもりのないファイルが混ざること、壊れたページを公開してしまうこと、そして消す操作が、関係のないものまで消してしまうことです。いったん公開すると、誰かがもう見たかもしれず、取り消せません。

そこで、送る専用の道具を作り、気をつけることを、人の注意力ではなく仕組みで守るようにしました。

✕ フォルダを丸ごと送ると フォルダを 丸ごと送る 中身を見ずに 公開される 見せないものや 壊れたページも出る ○ 確かめてから送ると 集める → 下見 → 確かめて送る 必要なものだけを 目で見て決める 必要なものだけが 公開される 送る前に、何が公開されるのかを、自分の目で確かめられる形にします。

図の見方:上の段は、フォルダを丸ごと送った場合です。中身を見ないまま公開され、見せないものや壊れたページまで出てしまいます。下の段は、集める、下見をする、確かめてから送る、の順にした場合です。必要なものだけが公開されます。

送る流れ ―― 集める・下見・送る

送る流れは、次の3段です。実際に送る前には、人が下見の結果を読んで確かめる流れです。

① 集める 送ってよい種類のファイルだけを、受け渡し用のフォルダへ ② 下見 何を新しく送り、何を書き換えるかを数えて見せる。まだ何も送らない ③ 確かめて、送る 人が下見の結果を読んで OK を出したら、実際に送る 変更が無いときは、何もしません。手元の変更だけが、公開用の置き場へ反映されます。

図の見方:上から順に、集める、下見、送る、の3段です。下見の段では何も送りません。人が下見の結果を読んで確かめてから、はじめて3段目へ進みます。送る前に走らせる自己点検(リンク切れや壊れたページが無いかを調べる検査)に通ることも、送る条件です。

いきなり公開用の置き場へ送らず、いったん受け渡し用のフォルダへ集めることにも理由があります。そのフォルダの中身が、そのまま「公開されるもの」になるので、送る前に、目で見て確かめられるからです。

何を送るか ―― 許可した種類のファイルだけ

何を送るかは、ファイルの種類で決めた許可リストで決めています。「送ってよい種類」(ページそのもの、画像、文字の見た目を決めるファイルなど)を書いておき、それ以外は送らない、という作りです。

その逆の「送ってはいけない種類」を書く方式にしなかったのは、あとからフォルダに置かれた新しい種類のファイルが、既定で公開されてしまうからです。許可リスト方式なら、新しい種類は、既定では送られません。

✕ 送らない種類を書く方式 新しい種類の ファイルを置く リストに無いので 止められない 既定で 公開されてしまう ○ 送ってよい種類を書く方式 新しい種類の ファイルを置く リストに無いので 送られない 既定では 公開されない 迷ったら「送らない」側に倒しておきます。足したいときだけ、自分で許可を足します。

図の見方:どちらも、新しい種類のファイルをフォルダに置いた場合です。上の段は、止める種類を書く方式で、書き忘れたものが公開されます。下の段は、通す種類を書く方式で、書き忘れたものは公開されません。

公開するフォルダに置いた、メモ用のテキストは、うっかり大事な情報が入りやすいので、許可していません。

また、ファイルの中身に特定の言葉があるかで止める検査は、していません。「パスワード」という言葉があるかで止めると、パスワードの扱い方を説明する、正しい記事まで公開できなくなってしまうからです。門は、種類だけにしてあります。

下見と、消さない設計

下見は、実際には何も送らずに、新しく送るもの、書き換えるものを数えて見せる段です。内容を読んで、思っていたのと違えば、そこで止められます。

消す操作は、既定でオフ

公開用の置き場の側にあるファイルを消すのは、取り返しがつきません。そこで、消す操作は既定でオフにしてあります。必要なときだけ、自分で明示します。

消すときは、送るものと、公開用の置き場から消えるものを、分けて見せます。消えるものがあるときは、ただ「はい」と答えるのではなく、決まった言葉を自分で打たないと進めません。Enter を押しただけで通る形にしないためです。

さらに、公開先に自分のものではないファイルが同居しているサイトでは、消す操作そのものを受け付けません。関係のないものまで、巻き込まないためです。

公開後に困らないための工夫

送る前に、サイトの自己点検を走らせる

送る前に、そのサイトの自己点検(リンク切れや、壊れたページが無いかを調べる検査)を必ず走らせ、落ちたら送りません。壊れたページを公開しないためです。

手元の設定を、そのまま写さない

手元のファイルには、「誰が読んでよいか」の設定が付いています。これがそのまま公開用の置き場へ写ると、公開したあとで、一部のページや画像が、見られなくなることがあります。実際に、あるサイトの全体が見られなくなったことがありました。

いまは、公開に必要な設定にそろえてから送るようにしています。手元の状態に左右されず、いつも同じ状態で公開されます。

自動では送らない

公開は、外の世界へ向けた操作です。そこで、夜中に自動で送るようなことはせず、必ず人が押して送る形にしてあります。

使ってみて変わったこと

いちばん変わったのは、公開が怖くなくなったことです。下見で、何が送られるのかを毎回見られるので、見せるつもりのないものが混ざる心配を、仕組みが引き受けてくれます。

このやり方が向いているのは、自分でホームページを作って、何度も更新していく人です。更新のたびに、手作業でファイルを選んでいると、いつか1つ選び間違えます。

ただし、送ったあとは、ブラウザ(Safari など、Web ページを見るアプリ)で公開されたページを開いて、新しい内容が出ているかを、自分の目で1回確かめてください。送る道具が「成功」と言っても、見えていなければ意味がありません。なお、仮想サーバーパネル(APP 03)の一覧にあるボタンからも、同じ手順で送れます。