FRL 自由研究ラボ

Obsidianセットアップ手帖 — OBS 04

基本操作

— 書く・つなぐ・目立たせる・並べる —

ここまでで保管庫と3つの設定が整いました。この記事では、最初の1枚を書いて、ノートをつなぐところまでを練習します。覚えるのは5つです。ノートの作り方と名前、[[ ]] でつなぐ書き方、別名、コールアウト、画面の分け方。なかでも名前の付け方は、リンクが増えてからでは直しにくいので、最初に決めます。

この記事を読むとできること

  • ノートを作り、見出し・太字・箇条書きなどの基本の書き方を使えます
  • [[ ]] でノート同士をつなぎ、バックリンク(そのノートを指している元のノートの一覧)で逆にたどり、![[ ]] で中身を埋め込めます
  • 1つのノートに別名を付け、略称や別の呼び方でもリンクできます
  • コールアウト(色付きの枠)で注意書きを目立たせ、タブと分割で複数のノートを並べて見られます

想定している使い方

OBS 03 まで終えている前提です。ノートの記号の打ち方は、すべて半角で入力します。説明はすべて Mac を前提にしています。

この記事の道順

  1. なぜ、名前とリンクの作法を最初に決めるのか
  2. part 1 — ノートを作る・名前を付ける・書く
  3. part 2 — つなぐ・たどる・埋め込む
  4. part 3 — 別名を付ける
  5. part 4 — コールアウトで目立たせる
  6. part 5 — タブと分割で並べる
  7. つまずき集(症状から引く)
  8. 知っておくと便利な知識
  9. 次の一歩

読む目安:約11分 ・ 手を動かす目安:約28分(part 1〜5)・ 図1枚

なぜ、名前とリンクの作法を最初に決めるのか

Obsidian のノートは、ファイル名がそのままリンクの宛先です。リンクが増えるほど、名前を付け直す手間が、ノートの数ではなく、リンクの数に比例して大きくなります。

名前を変えたときにリンクが追従する設定(OBS 03)はありますが、同じ内容を指す名前が、ノートごとにバラバラ(「議事録」「会議メモ」「ミーティング」)だと、つなぎたいノートを探せなくなります。最初に名前の付け方と別名の使い方を決めておけば、リンクは自然に集まります。

✕ 名前を決めずに書くと 思いついた名前を その場で付ける 同じ内容に 別の名前が混ざる つなぎたい ノートが見つからない ○ 名前と別名を決めると 名前の付け方を 先に決める 別名で 呼び方を吸収する リンクが1つの ノートに集まる 書く内容は同じです。違いは、名前の付け方と別名を先に決めたかどうかだけです。

図の見方:上の段は、名前を決めずに書いた場合です。同じ内容に別の名前が付き、つなぎたいノートが見つからなくなります。下の段は、名前の付け方と別名を決めた場合です。リンクが1つのノートに集まります。

01

part 1 — 目安 7分

ノートを作る・名前を付ける・書く

ノートは、⌘(command)キーと N で作れます(画面左のメニューの「新しいノート」のアイコンでも作れます)。上の欄にタイトルを入れると、それがファイル名になり、すぐに本文を書き始められます。

名前の付け方は、次の3つを守ります。

  1. 1つのノートに1つのテーマ。名前は、中身を一言で言い当てる名詞にする(「会議メモ」より「2026-10 の打ち合わせ」)
  2. 使えない記号を避ける。/ \ : はファイル名に使えず、# ^ [ ] | はリンクを壊すので使いません。複数の端末で同期するときも、安全な文字だけにします
  3. 日付を入れるなら、決まった形で。2026-10-10 のように、年から先に書くと、名前順に並べたとき、日付順になります

本文は、Markdown(文字に記号を付けて、見出しや太字を表す書き方)で書きます。まず次の書き方を覚えれば、手を止めずに書けます。

書いたもの 表示される姿
# 見出し1 いちばん大きい見出し(## なら一段小さい見出し)
段落のあいだの空白行 空白行を入れると、別の段落になる
- 項目 箇条書き(行の頭に - と半角スペース)
**太字**(または ⌘ と B) 太字
*斜体* 斜体
==ハイライト== 黄色い蛍光ペンのような強調(Obsidian 独自の書き方)
~~取り消し線~~ 取り消し線

最初にやる理由:名前は、ファイル名そのものなので、リンクの宛先、検索の手がかり、AI が読むときの手がかりを兼ねます。最初の数枚で型を決めれば、あとは真似るだけで揃います。

後回しにすると:名前を後から直す作業は、1枚ずつ名前を変えることです。リンクは追従しますが、同じ内容に付いた別々の名前を1つに統合するのは、人が内容を読んで決める作業です。

✓ ここまでの確認:ノートを1枚作り、見出し・箇条書き・太字を付けた。名前に、使えない記号が入っていない。

02

part 2 — 目安 8分

つなぐ・たどる・埋め込む

Obsidian のいちばんの力は、ノート同士をつなげることです。ノートの本文に [[ と打つと、保管庫のノートの候補が出ます。選ぶと [[ノート名]] というリンクになります。リンクの先に、まだノートが無い名前を書いても構いません。クリックした瞬間に、その名前のノートが新しく作られます。思いついたことを止めずに書き続けられます。

書き方 何が起きるか
[[ノート名]] そのノートへのリンクになる
[[ノート名|表示する言葉]] リンクの先は同じで、画面に出る言葉だけを変える
[[ノート名#見出し]] ノートの中の、その見出しへ飛ぶ
[[ノート名#^識別子]] ノートの中の、特定の段落(ブロック)へ飛ぶ。[[ノート名#^ まで打つと段落の候補が出て、選べば識別子は自動で付く
![[ノート名]] リンクではなく、そのノートの中身を、その場に埋め込んで表示する
![[画像.jpg]] 画像を、その場に表示する
![[資料.pdf#page=3]] PDF の3ページ目だけを、その場に表示する

!(エクスクラメーション)が付くかどうかで、「つなぐ」と「埋め込む」が分かれます。画像や PDF は、Obsidian の画面へドラッグ&ドロップするだけで、保管庫に保存され、同時に埋め込まれます(保存先は OBS 03 で決めた attachments です)。

リンクは逆からもたどれます。リンク先のノートを開くと、右側の「バックリンク」の欄に、そのノートを指している元のノートが一覧で出ます。「このノートは、どこから参照されているか」を逆引きできるので、思いがけないつながりが見つかります。

最初にやる理由:つなぐ作法を最初に覚えると、ノートが「点」から「網」になり、あとで探すときに、リンクをたどって見つけられます。リンクを張らない習慣がつくと、ノートは増えても、使いにくい一覧のままです。

後回しにすると:リンクを張らずに溜めたノートは、あとから「どれとどれがつながるか」を、1枚ずつ読み返して探すことになります。書いた直後のほうが、つなぎ先を思い出せます。

✓ ここまでの確認:2枚のノートを作り、片方からもう片方へ [[ ]] でつなぎ、クリックして飛べる。リンク先を開くと、右側のバックリンクに元のノートが出る。画像を貼って、attachments に入っている。

03

part 3 — 目安 4分

別名を付ける

1つのノートには、別名(あだ名)を付けられます。略称、英語名、言い換えなど、ほかの呼び方でもリンクの候補に出るようになります。

ノートの一番上に、次のように書きます(プロパティと呼ぶ、ノートの属性の欄です。詳しくは OBS 05)。

---
aliases:
  - 議事録
  - ミーティング
---

こうしておくと、[[ のあとに「議事録」と打ったとき、「2026-10 の打ち合わせ」が候補に出ます。選ぶと、リンクの宛先は元の名前のまま、表示だけを別名にしたリンクが作られます。

最初にやる理由:呼び方が揺れる言葉を、別名で吸収すれば、名前を統一するためにノートを作り直さずに済みます。

後回しにすると:別名を付けないまま呼び方が揺れると、同じ内容のノートが別々の名前で何枚もできます。あとから統合するのは、中身を読んで決める作業になります。

✓ ここまでの確認:1枚のノートに別名を付け、別のノートの [[ のあとに別名を打つと候補に出る。

04

part 4 — 目安 4分

コールアウトで目立たせる

ノートの中で、注意書きや要点を目立たせたいときはコールアウトを使います。行の頭に >(引用の記号)を付け、最初の行に [!種類] と書くだけで、色付きの枠になります。

> [!warning]
> ここから先は注意が必要です。

> [!success]
> 目標を達成しました。

> [!quote]
> 重要な引用の文。

種類によって、枠の色とアイコンが変わります(note・tip・success・warning・quote など)。コールアウトは Obsidian 独自の書き方なので、ほかのアプリでは、ふつうの引用として表示されます。

最初にやる理由:「あとで読み返したときに、どこが大事か」を、書く時点で印にしておくと、ノートが増えても、要点だけを拾い読みできます。

後回しにすると:印を付けないまま書き溜めたノートは、あとから全文を読み直さないと、要点が分かりません。

✓ ここまでの確認:ノートの中に [!warning] のコールアウトを1つ作り、色付きの枠で表示される。

05

part 5 — 目安 5分

タブと分割で並べる

Obsidian は、ブラウザのように、タブで複数のノートを開けます。リンクをクリックするときに、⌘ キーを押しながらクリックすると、新しいタブで開きます。

最初にやる理由:画面を分ける使い方は、リンクをたどりながら書く流れを切らさないために覚えます。1つのタブだけで使い続けると、リンクを開くたびに、元のノートを見失います。

後回しにすると:習慣になる前の使い方は、あとから変えにくいものです。数枚書いた時点で、分割と⌘クリックを1回試しておきます。

✓ ここまでの確認:リンクを⌘クリックして新しいタブで開き、タブを画面の端へドラッグして2枚を並べて表示できた。

つまずき集(症状から引く)

起きていること 原因 どうするか
ファイル名に使えないと言われる / \ : などが入っている 別の記号(全角のスラッシュなど)に置き換えます
[[ ]] を打っても候補が出ない 全角で打っている 半角で [[ と打ちます
リンクを押すと、新しい空のノートができる リンク先の名前が、実在のノートと違う 名前の揺れを確かめ、別名を付けるか、リンクの名前を直します
埋め込みの中身が表示されない ! が付いていない、または名前が違う ![[ノート名]] の形になっているか確かめます
コールアウトが枠にならない > と [! の間に余計な文字がある、または全角 半角で > [!warning] と書きます

知っておくと便利な知識

グラフビューで、つながりを眺める

ノートとリンクが増えると、「グラフビュー」(ノートの関係を、点と線の図にして見せる画面)で、保管庫の全体が見えます。点が1枚のノート、線がリンクです。グラフが育つほど、自分の考えのつながりが形になって現れます。思考は、フォルダの階層ではなく、網の形で残る、という考え方です。

数式と図(必要になってから)

数式は $ で、図は mermaid という書き方で、ノートの中に描けます。どちらも Obsidian 独自の拡張で、最初から覚える必要はありません。必要になった日に、AI に「この関係を図にして」と頼めば、書き方を示してくれます。

ショートカットは、使う分だけ

⌘ と N(新規ノート)、⌘ と O(ノートを名前で開く)、⌘ と P(コマンドの一覧)の3つを覚えれば、ほとんどの操作ができます。

NEXT

次の一歩

  • 名前は1ノート1テーマ、使えない記号は避ける
  • [[ ]] でつなぎ、バックリンクでたどり、![[ ]] で埋め込む
  • 呼び方の揺れは別名で吸収する
  • 要点はコールアウト、複数のノートはタブと分割で扱う

OBS 05

プロパティ ―― 検索と整理の土台

ノートの先頭に書く属性(タグ・作成日・公開用の印)のルールを、ノートが増える前に決めます。 →

※ 画面の名前やボタンの場所、プランの内容、設定の細かな仕様は、アプリの更新で変わることがあります。この記事は公式の説明(2026年10月時点)と実際に使っている環境をもとに書いていますが、動作を保証するものではありません。迷ったときは公式のドキュメントが正です。