AIエージェントことはじめ — LAB 002
— 黒い画面の前に、見慣れた画面から —
Claude Code は、デスクトップアプリ(マウスで操作する、ふつうのアプリの画面)の「Code」から始めれば、ターミナル(文字で命令を打ち込むアプリ)を使わずに始められます。 やることは3つです。作業用のフォルダを1つ決める。 AI が作業の前に出す許可の表示で、場所がそのフォルダの中かを確かめる。 毎回守ってほしい決まりを CLAUDE.md に書く。
この記事を読むとできること
想定している使い方
Mac にデスクトップアプリの Claude を入れ、その中の「Code」を使います。ターミナルは、この記事では使いません。 Claude の有料プラン(Pro 以上)が必要です。説明はすべて Mac を前提にしています。
※ 「AI エージェントとは?」という段階の方は、先に LAB 001(コーディングとは何か) を読むと分かりやすくなります。
読む目安:約10分 ・ 手を動かす目安:約25分(STEP 1〜4)・ 図1枚
Claude Code は、日本語で頼むと、AI があなたの Mac の中でファイルを作ったり直したりしてくれる道具です。 ターミナル(黒い画面)で文字を打って使う道具として紹介されることが多く、そこで「難しそう」と止まってしまう人も少なくありません。
ところが、デスクトップアプリの Claude にある「Code」なら、黒い画面を使わずに、見慣れたアプリの画面で始められます。 中身はターミナル版と同じなので、あとでターミナル版に移ってもやり直しになりません。 安全に使うための準備も、このあとの4つの STEP の中で一緒に済ませます。細かい知識は巻末の「知っておくと便利な知識」にまとめたので、まずは手を動かしましょう。
図の見方:上の段は、いきなりターミナル版から始めた場合です。文字だけの画面でコマンド(Mac への文字の命令)を打つところで「難しそう」と感じ、始める前に止まってしまいがちです。 下の段は、デスクトップアプリの Code から始めた場合です。見慣れた画面で頼んで確かめることに慣れておけば、設定と CLAUDE.md が共通なので、そのままターミナル版へ移れます。
STEP 1 — 目安 10分
ブラウザで claude.com のダウンロードページ を開き、 Mac 版のアプリをダウンロードします。ダウンロードしたファイルを開き、Claude のアイコンを「アプリケーション」フォルダへドラッグすれば、入れる作業は終わりです。
アプリを起動したら、有料プラン(Pro 以上。料金のことは巻末)を契約しているアカウントでログインします。ログインできたら、Chat・Cowork・Code を切り替える部分で Code を選びます (ボタンの場所や見た目は、アプリの更新で変わることがあります)。
✓ ここまでの確認: Code の画面が開き、下に入力欄が見えている。
※ ターミナル版の Claude Code は、次の LAB 003 で入れます。いまは入れなくて大丈夫です。
STEP 2 — 目安 5分
Claude Code は、選んだフォルダを自分の仕事場だと考え、その中で作業します。 もし「書類」やホームフォルダ全体を選ぶと、そこにある写真や大事な書類まで、AI が触れる範囲に入ってしまいます。 そこで、AI に作業させるための専用のフォルダを1つ作ります。
Finder(Mac でファイルを見るアプリ)で、メニューの「移動」→「ホーム」を選び、自分のホームフォルダ(自分の名前が付いたフォルダ)を開きます。
そこで ⌘(command)キーと Shift キーと N を同時に押して新しいフォルダを作り、名前を code にします。
住所(パス)でいうと /Users/(自分の名前)/code です。
Code の画面に戻り、作業するフォルダとして、いま作った code フォルダを選びます。
これから AI に作ってもらう道具は、すべてこの code フォルダの中に置くと決めておきます。そうすれば、AI が触れる範囲がいつも同じになります。
ノートのように code の外にあるものを AI に書かせたくなったときは、その場所をはっきり決めて許可を出します(その方法は LAB 003 で扱います)。
✓ ここまでの確認: Code の画面に、選んだフォルダの名前(code)が表示されている。
STEP 3 — 目安 5分 / この記事の山場
入力欄に、次の文を貼って送ります。
このフォルダに「はじめて.txt」というファイルを作って、
今日の日付と「Claude Code を使い始めた」という1行を書いて。
すると、ファイルを作る前に「この操作をしてよいか」と許可を求める表示が出ます。 Claude Code は、ファイルを書き換えたりコマンドを動かしたりする前に、こうしてあなたの許可を取ります。
見るのは1か所だけ:表示の中に /code/ という文字が入っているか。
/Users/(自分の名前)/code/はじめて.txt のように入っていれば、STEP 2 で作った code フォルダの中なので許可します。
入っていなければ、許可のボタンは押さず、断る(許可しない)側を選びます。よく分からないときは「このファイルはどこに作るの?」と聞き返して構いません。
もし間違えて許可してしまっても大丈夫です。今回のように新しいファイルを作る作業なら、 できたファイルを Finder でゴミ箱に入れれば元どおりになります。最初は気楽に試してください。
ただし、すでにあるファイルを「消す」「上書きする」表示のときだけは、いったん手を止めて中身を読みます。 こちらは後から元に戻せないことがあるからです。 許可を聞かずに全部通す設定もありますが、最初は使いません。人がいない時間に自動で作業させたくなると使いたくなりますが、 止めたい操作は全部通すのではなく、仕組みで止める方が安全です(その作り方は LAB 012 で扱います)。
✓ ここまでの確認: 許可の表示に「/code/」が入っていることを確かめてから許可し、Finder で code フォルダを開くと「はじめて.txt」ができている。 さらに「はじめて.txt」をダブルクリックして開き、今日の日付と1行が正しく入っているかを、自分の目で確かめた。
※ AI は「作りました」と報告しても、日付を間違えていることがあります。エラーが出なくても間違うことがあるので(LAB 001 の「動いた ≠ 正しい」)、できたものは1つ自分で開いて確かめます。
STEP 4 — 目安 5分
「はじめて.txt」を作った作業用フォルダ(code)に CLAUDE.md という名前のファイルを置くと、Claude Code は会話を始めるたびに、頼まなくてもその中身を読みます。
毎回説明していた決まりごとを一度だけ書いておく、AI への置き手紙です。
デスクトップ版でもターミナル版でも同じファイルを読むので、どちらで頼んでも同じ決まりで動きます。
入力欄に /init(「/」から始まる、Code への決まった命令)と打って送ると、フォルダの中身を見てたたき台を作ってくれます。使えないときは「このフォルダに CLAUDE.md を作って」と頼んでも同じです。
中身は、次のような短い日本語で構いません。
# このフォルダの決まり
- 日本語で答える
- 専門用語には、短い説明を添える
- ファイルを消す・大きく書き換える前には、必ず確認する
※ コツは短く、命令の形で書くことです。何でも書き足すと肝心の決まりがぼやけるので、本当に毎回守ってほしいことだけにします。
ワンポイント:CLAUDE.md を作ったり書き直したりしたら、必ず「+」(新しい会話)を押して、新しい会話を開きます。
CLAUDE.md は、会話を始めるときに1回だけ読まれます。いまの会話のまま話しかけても、書いた決まりは効きません
(「+」の場所や見た目は、アプリの版によって変わることがあります)。
✓ ここまでの確認: code フォルダに CLAUDE.md がある。「+」で新しい会話を開いて話しかけると、書いた決まりどおりに日本語で答える。
| 起きていること | 原因 | どうするか |
|---|---|---|
| Code が使えない・見当たらない | 無料プランのまま、またはアプリが古い | Pro 以上のプランか確かめ、アプリを最新にします |
| 許可の表示に、code の外の住所が出た | 選んだフォルダが違う、または頼み方があいまい | 許可せずに断ります。フォルダを選び直し、「code の中だけで」と頼み直します |
| 許可の表示が多くて面倒 | 書き換えやコマンドのたびに確かめる作りだから | 新しいファイルを作る作業は場所だけ確かめて許可し、すでにあるファイルを消す・上書きする作業は中身まで読みます。全部通す設定にはしません |
| CLAUDE.md の決まりを守ってくれない | CLAUDE.md が作業用フォルダの直下に無い、書き方があいまい、または作った直後の会話のまま(会話の開始時に読まれるため) | code フォルダの直下に置き、短い命令の形で書き直し、新しい会話を始めて試します |
| しばらく使えなくなった | 一定の時間に使える量の上限に達した | 時間がたって枠が戻るのを待ちます。次からは作業を小さく区切って頼みます |
STEP 1〜4 を終えたあとに、必要なところだけ読めば十分です。
Claude Code は、LAB 001 で説明した 「エージェント型コーディング」――AI に丸ごと任せて、AI 自身が回すやり方――のための道具です。 あなたが日本語で頼むと、AI がコンピュータへの指示書(コード)を書き、Mac の中で動かし、エラーという返事を読んで直す、 というくり返しを自分で進めます。人の出番は、何を頼むかを決めることと、AI が作業の前に出す確認を見て許可することです。 デスクトップの Code とターミナル版は設定や CLAUDE.md を共有しているので、慣れたあとも場面によって使い分けられます。
デスクトップアプリの Claude には Chat・Cowork・Code の3つの使い方があり、画面の切り替えで選べます。 Chat はふつうのチャット、Cowork は資料作成や調査を任せるアシスタントです。この記事で使ったのは、Mac のフォルダの中のファイルを直接読み書きする Code です。 覚え方も違い、Chat と Cowork は会話から自動で作られる「メモリ」で覚えますが、Code は自分で書く CLAUDE.md を読んで覚えます。
Claude Code を使うには Pro 以上の有料プラン(Pro・Max・Team など)が必要で、無料プランでは使えません。 有料プランに入っていれば、追加の利用を自分で有効にしない限り、追加の料金はかかりません(使った分だけ請求が増える契約とは違います)。 そのかわり一定の時間に使える量には上限があり、達したら枠が戻るまで待ちます。作業を小さく区切って頼むと、使い切りにくくなります。
Claude には、得意なことの違うモデル(AI の頭脳の種類)がいくつかあり、Code の画面で切り替えられます(場所はアプリの版によって違います)。 迷ったら Sonnet で始めて構いません。
| モデル | 向いていること |
|---|---|
| Sonnet(バランス型) | ふだんの作業の中心。機能を足す、直す、作りを整えるなど |
| Opus(深く考える) | 全体の設計を考える、原因の分からない不具合を突き止めるなど、じっくり考える作業 |
| Haiku(速くて軽い) | 文字の整形、ちょっとした直しなど、短く済む作業 |
※ 深く考えるモデルほど、使える量の枠を早く使います。ふだんは Sonnet、難しいときだけ Opus、という使い分けが目安です。
NEXT
まずはデスクトップアプリの Code で、作業用フォルダを指定して、小さなお願いを何度かしてみてください。 許可の表示を読み、CLAUDE.md の決まりどおりに動くことを確かめられたら、この記事の役目は終わりです。
LAB 003
Mac で Claude Code と Obsidian をつなぐ
慣れてきたら、ターミナル版を入れて claude と打ち込み、作業の記録が自分のノートに溜まっていく仕組みを作ります。 →
※ 画面の名前やボタンの場所、プランの内容は、アプリの更新で変わることがあります。この記事は実際に使っている環境をもとに書いていますが、動作を保証するものではありません。
※ Windows 版のデスクトップアプリでも、考え方は同じです。