FRL 自由研究ラボ

Macセットアップ手帖 — SETUP 02

CLAUDE.md

— AI への置き手紙を、最初にどう書くか —

CLAUDE.md は、会話を始めるたびに AI が読む決まり書きです。最初は /init で作り、短く、命令の形で書きます。書き換えたら新しい会話を始めます。増えてきたら、1枚に足し続けず、置き場所で分けます。あとから分け直すのは大仕事なので、最初に置き場所の考え方だけ決めておきます。

この記事を読むとできること

  • CLAUDE.md を置く場所と、いつ読まれるのかを説明できます
  • /init でたたき台を作り、短い命令の形に整えられます
  • 書き換えたあと、いつ効くのかを間違えずに済みます
  • 決まりが増えたとき、どこに分ければよいかが分かります

想定している使い方

デスクトップアプリの Claude の Code を使います。この手帖の SETUP 01 を終えている前提です。ターミナル(文字で命令を打ち込むためのアプリ)版で使う場合の補足は、該当の所にだけ書きました。説明はすべて Mac を前提にしています。

この記事の道順

  1. なぜ、最初に「短く」と「置き場所」を決めるのか
  2. part 1 — どこに置くと、いつ読まれるか
  3. part 2 — /init でたたき台を作る
  4. part 3 — 書き方の約束
  5. part 4 — 書き換えたら、いつ効くのか
  6. part 5 — 増えてきたら、分ける
  7. つまずき集(症状から引く)
  8. 知っておくと便利な知識(2台の Mac で同じにする)
  9. 次の一歩

読む目安:約9分 ・ 手を動かす目安:約22分(part 1〜5)・ 図1枚

なぜ、最初に「短く」と「置き場所」を決めるのか

CLAUDE.md は、AI への置き手紙です。毎回説明していた決まりごと(日本語で答える、消す前に確認する、など)を一度書いておくと、会話を始めるたびに AI が読んでくれます。

便利なので、気づくと何でも書き足したくなります。ところが、長くなるほど、肝心の決まりが埋もれて守られにくくなります。公式も、1つのファイルは200行未満を目安にしています。長くなってから分けようとすると、どの決まりがどの作業のためのものかを思い出す作業になり、大仕事です。最初に「短く書く」「増えたらこう分ける」と決めておけば、その大仕事がありません。

✕ 1枚に書き足し続けると 何でも 書き足す 長くなって 埋もれる 守られなくなり、 分けるのも大仕事 ○ 短く書き、置き場所で分けると 短く書き、 増えたら分ける 決まりが 目立つ いつも 守られる 書く内容は同じです。違いは、最初に長さと置き場所の考え方を決めたかどうかだけです。

図の見方:上の段は、1枚の CLAUDE.md に書き足し続けた場合です。長くなって肝心の決まりが埋もれ、守られなくなります。下の段は、最初に短く書き、増えたら置き場所で分けた場合です。決まりが目立つので、いつも守られます。

01

part 1 — 目安 4分

どこに置くと、いつ読まれるか

CLAUDE.md は、置く場所で「誰に効くか」が変わります。

場所 効く範囲 向いているもの
~/.claude/CLAUDE.md(ホームフォルダの隠しフォルダ) この Mac のすべての作業 自分の好み(日本語で答える、専門用語に説明を添える、など)
作業フォルダの直下の CLAUDE.md そのフォルダの作業 そのフォルダの決まり。git(変更の履歴を管理し、他の人や別の Mac と共有する仕組み)で共有する
作業フォルダの直下の CLAUDE.local.md そのフォルダの作業(自分だけ) 共有したくない自分用のメモ

読まれるのは、会話を始めるときです。作業フォルダの中のサブフォルダに置いた CLAUDE.md は、その中のファイルを読み書きしたときに、はじめて読まれます。

CLAUDE.local.md を使うときは、自分で .gitignore に書き足します。自動では除外されません。書き足し忘れると、自分用のメモが git で共有されます。

デスクトップアプリの Chat と Cowork は、CLAUDE.md を使いません。会話から自動でつくられる「メモリ」で覚えます。CLAUDE.md を読むのは Code だけです。

最初にやる理由:置き場所は、効く範囲そのものです。全部を1か所に書くと、フォルダごとに違う決まりが混ざります。

✓ ここまでの確認:3つの置き場所と、効く範囲を言い分けられる。

02

part 2 — 目安 4分

/init でたたき台を作る

Code の入力欄に /init(「/」から始まる、Code への決まった命令)と打って送ります。フォルダの中身を見て、CLAUDE.md のたたき台を作ってくれます。すでに CLAUDE.md がある場合は、上書きせず、直したほうがよい点を提案します。使えないときは「このフォルダに CLAUDE.md を作って」と頼んでも同じです。

できたたたき台は、そのまま使わず、読んで削ります。AI が書いた文は丁寧なぶん長くなりがちです。最初の中身は、次のような短い日本語で足ります。

# このフォルダの決まり
- 日本語で答える
- 専門用語には、短い説明を添える
- ファイルを消す・大きく書き換える前には、必ず確認する

最初にやる理由:たたき台を作らせると、フォルダの構成や使い方を AI が先に調べて書いてくれます。白紙から書くより間違いが少なく、あなたは削るだけで済みます。

✓ ここまでの確認:作業フォルダの直下に CLAUDE.md があり、読み返して不要な行を消した。

03

part 3 — 目安 6分

書き方の約束

書くときは、次の4つを守ります。

  1. 200行未満にする。公式の目安で、超えると警告が出ます
  2. 命令の形で短く書く(「日本語で答える」。「日本語で答えてもらえるとうれしいです」は長い)
  3. 矛盾する指示を書かない。2つの決まりが食い違うと、どちらが守られるか分からなくなる
  4. パスワード・API キー(外部サービスを使うための鍵)・トークン(本人確認に使う文字列)の値を書かない。CLAUDE.md は毎回読まれ、git で共有され、会話として外に送られる

もう1つ、大切な考え方があります。CLAUDE.md は命令ではなく、AI が読む文脈です。どうしても守らせたいこと(秘密のファイルを読ませない、など)は、置き手紙ではなく、仕組みで止めます。それは SETUP 03 で扱います。

最初にやる理由:長さと書いてはいけないものは、あとで直すと、すでに外に出たものまでは直せません。値を書いてしまってから消しても、git の履歴や会話の記録には残ります。

✓ ここまでの確認:CLAUDE.md が200行未満で、秘密の値が1つも書かれていない。

04

part 4 — 目安 3分

書き換えたら、いつ効くのか

CLAUDE.md を作ったり書き直したりしたら、新しい会話を始めます。CLAUDE.md は会話を始めるときに読まれるので、いまの会話のまま話しかけても、書いた決まりが効くとは限りません。

ワンポイント:書き直したら、「+」(新しい会話)を押して、新しい会話から話しかけます。「+」の場所や見た目は、アプリの版によって変わることがあります。

やること 書き換えた CLAUDE.md は
新しい会話を始める(いちばん確実) 最初から読まれる
/clear(会話を空にして始め直す) プロジェクトの記憶(CLAUDE.md)は保たれたまま、新しい会話が始まる
/compact(会話を要約して短くする) 作業フォルダ直下の CLAUDE.md が、ディスクから読み直される。サブフォルダのものは、そのフォルダのファイルを読み書きしたときに読まれる
何もしない いまの会話に効くとは限らない

会話の中でだけ頼んだことは、/compact で消えることがあります。毎回守ってほしいことは、会話で頼むのではなく CLAUDE.md に書きます。

最初にやる理由:書き換えたのに効いていないと気づかないまま作業を続けると、決まりを守っていない結果が積み上がります。確かめるのは「新しい会話を開く」の1手だけです。

✓ ここまでの確認:CLAUDE.md を書き換えたら、新しい会話を始めてから話しかける習慣がついた。

05

part 5 — 目安 5分

増えてきたら、分ける

決まりが増えてきたら、1枚に足さず、知識の種類で置き場所を分けます。目安は次の表です。

知識の種類 置き場所 読まれるとき
いつも効くルール 作業フォルダ直下の CLAUDE.md 毎回
そのフォルダだけの事情 そのサブフォルダの CLAUDE.md そのフォルダのファイルを読み書きしたとき
特定のファイルを触るときのルール .claude/rules/ の中のファイル(対象のパスを書き添える) 対象のファイルを触ったとき
手順・チェックリスト スキル(.claude/skills/ の中の手順書) その作業をするとき
ほとんど参照しない記録 資料用のフォルダ(CLAUDE.md には書かない) 自分で開いたとき

@ に続けてファイルの場所を書くと、別のファイルを CLAUDE.md に取り込めます(@docs/ルール.md のように、参照する側から見た位置で書きます)。ただし、取り込んだ分も毎回読まれます。長さを減らしたいときの方法は、取り込みではなく、上の表のように読まれる場面を絞ることです。

最初にやる理由:全部を毎回読ませると、会話の余地が先に使われます(SETUP 04)。「いつも」と「その場面だけ」を分けるのが、長さを抑えるいちばんの方法です。

後回しにすると:1枚に書き足した状態から分けるときは、どの行がどの作業のための決まりかを、1行ずつ思い出して振り分けることになります。

✓ ここまでの確認:いま書いた決まりを、上の表のどれに置くか、迷わずに言える。

つまずき集(症状から引く)

起きていること 原因 どうするか
書いた決まりを守ってくれない 作業フォルダの直下に無い、長すぎる、書き方があいまい、または書き換えた直後の会話のまま 直下に置き、短い命令の形に直し、新しい会話で試します
「CLAUDE.md が長すぎる」と警告が出る 1つのファイルが200行を超えている part 5 の表で、いつも要らないものを別の置き場所へ移します
自分用のメモが git に入ってしまった CLAUDE.local.md を .gitignore に書き足していない .gitignore に足し、すでに共有された分は履歴に残ることを踏まえて、必要なら値を変えます
Chat で頼んだ決まりが、Code で効かない Chat と Code は覚え方が違う(Chat はメモリ、Code は CLAUDE.md) Code で守ってほしいことは CLAUDE.md に書きます

知っておくと便利な知識

2台の Mac で同じ CLAUDE.md にする

作業フォルダの直下の CLAUDE.md は、フォルダごと git で管理していれば、もう1台の Mac でも、git で最新の状態に更新すれば同じ内容になります。特別な作業は要りません。

ホームの ~/.claude/CLAUDE.md(自分の好み)は、Mac ごとのただのファイルで、自動では同期されません。共通にしたいときは、git で管理するフォルダに本体を置き、~/.claude の側からはそこへのショートカット(シンボリックリンク)を張ります。CLAUDE.local.md は、Mac ごとの違いを書く場所なので、あえて共通にしません。

実際に入れ替えるときは、元のファイルのコピーを先に取ってから行います。ショートカットの張り方は、AI に「この CLAUDE.md を、git で管理するフォルダへ移して、元の場所にショートカットを張って」と頼めば、手順を示してくれます。2台の Mac を行き来する運用全体は LAB 008 にあります。

ターミナル版でも同じファイルを読む

デスクトップ版でも、ターミナル(文字で命令を打ち込むためのアプリ)版でも、読むファイルは同じです。どちらで頼んでも、同じ決まりで動きます。

NEXT

次の一歩

  • CLAUDE.md は200行未満・命令の形・秘密の値を書かない
  • 書き換えたら新しい会話から話しかける
  • 増えたら読まれる場面で分ける

SETUP 03

settings.json ―― 『やらせないこと』を最初に決める

設定ファイルの重なり、個人用の分け方、秘密のファイルを読ませない書き方、権限モードを扱います。 →

※ 画面の名前やボタンの場所、プランの内容、設定の細かな仕様は、アプリの更新で変わることがあります。この記事は公式の説明(2026年10月時点)と実際に使っている環境をもとに書いていますが、動作を保証するものではありません。迷ったときは公式のドキュメントが正です。