FRL 自由研究ラボ

Obsidianセットアップ手帖 — OBS 02

保管庫(Vault)を作る

— 置き場所を、最初に決める —

保管庫は、Obsidian がノートを入れておくただのフォルダです。作るのは数分ですが、置き場所は、あとから変えるほど大変になります。iPhone でも同じノートを使う可能性があるなら、iCloud Drive の「Obsidian」フォルダの中に作ります。この記事では、置き場所を決め、作り、守るまでを進めます。

この記事を読むとできること

  • 置き場所の選択肢と、それぞれの向き不向きが分かります
  • iPhone と共有できる場所に、保管庫を作れます
  • やり直しにくい3つの注意(入れ子・システムの場所・同期の重ねがけ)を避けられます

想定している使い方

OBS 01 を終え、Obsidian が入っている前提です。iPhone で同じノートを使うかどうかを、先に考えておきます。説明はすべて Mac を前提にしています。

この記事の道順

  1. なぜ、保管庫は置き場所から決めるのか
  2. part 1 — 置き場所を選ぶ
  3. part 2 — 保管庫を作る
  4. part 3 — やり直しにくい3つの注意
  5. つまずき集(症状から引く)
  6. 知っておくと便利な知識
  7. 次の一歩

読む目安:約8分 ・ 手を動かす目安:約14分(part 1〜3)・ 図1枚

なぜ、保管庫は置き場所から決めるのか

保管庫は、フォルダなので、どこにでも作れます。ところが、iPhone の Obsidian は、iCloud Drive(Apple のインターネット上の保管場所とつながったフォルダ)の中の決まった場所にある保管庫しか開けません。あとから「iPhone でも使いたい」となったとき、置き場所が違っていると、保管庫を作り直して、ノートを移すことになります。

移すのは、ノートのコピーだけでは終わりません。.obsidian の設定やプラグイン(機能を足す追加ソフト)の入れ直し、リンクの確認、古い保管庫の片付けが続きます。最初の数分で置き場所を決めれば、この引っ越しは起きません。

✕ 置き場所を考えずに作ると どこかに 作る iPhone で 開けない 作り直しと ノートの引っ越し ○ 最初に置き場所を決めると iCloud の Obsidian フォルダに作る iPhone でも 開ける 引っ越しなしで 使える ノートの書き方は同じです。違いは、置き場所を最初に決めたかどうかだけです。

図の見方:上の段は、置き場所を考えずに作った場合です。iPhone で使いたくなったときに開けず、作り直しと引っ越しが要ります。下の段は、最初に iPhone と共有できる場所に作った場合です。引っ越しなしで iPhone でも使えます。

01

part 1 — 目安 5分

置き場所を選ぶ

置き場所は、次の3つから選びます。

置き場所 向いている人 注意
iCloud Drive の「Obsidian」フォルダの中(Mac の中の実際の場所は、ホームフォルダ(自分のユーザー名のフォルダ)の中の Library/Mobile Documents/iCloud~md~obsidian/Documents/ の下) iPhone・iPad でも同じノートを使う Mac の「このMacにダウンロードを保持」が要る(part 3)。「Obsidian」フォルダは、iPhone の Obsidian アプリが作るもの
「書類」フォルダなど、iCloud の外 Mac 1台だけで使う iPhone では開けない。あとから共有したくなると引っ越しになる
iCloud Drive の中の、ふつうのフォルダ 選ばない iPhone の Obsidian が開けない(公式の注意。アイコン付きの「Obsidian」フォルダの外は、同期が不安定になる)

迷ったら、1行目です。iPhone で使わなくても、1行目に作っておけば、使いたくなった日に何もせずに済みます。

最初にやる理由:置き場所は、同期の方法をそのまま決めます。iPhone で開けるのは、iCloud の「Obsidian」フォルダの中の保管庫だけです。後から変えると、保管庫を作り直すことになります。

後回しにすると:すでに実例があります。iCloud Drive の中のふつうのフォルダに保管庫を作って使い始めたところ、iPhone の Obsidian から開けず、「Obsidian」フォルダの中に保管庫を作り直すことになりました。ノートが増えてからだと、この引っ越しはもっと大きな作業になります。

✓ ここまでの確認:保管庫を作る場所を、3つの中から1つ決めた。

02

part 2 — 目安 5分

保管庫を作る

iPhone でも使うなら、先に iPhone で作るのが、いちばん確実です。iPhone の Obsidian で「新しい保管庫を作成」を選び、名前を決めて、「iCloud に保存」をオンにして作ります。これで、iCloud Drive に、アプリのアイコンが付いた「Obsidian」フォルダができ、その中に保管庫ができます。

Mac では、Obsidian を起動し、「保管庫として開く」(既存のフォルダを開く)を選んで、iCloud Drive の中の「Obsidian」フォルダにある保管庫を選びます。Finder(Mac でファイルを見るアプリ)の左側の一覧にある「iCloud Drive」から、「Obsidian」を開くと見つかります。

Mac だけで使うなら、Obsidian の「保管庫を新規作成」を選び、名前を決め、場所に「書類」などを選んで作ります。名前は、あとで変えにくいので、短く、半角英数字にしておくと、ほかのアプリや AI から指定するときに楽です(日本語でも使えます)。

最初にやる理由:iPhone で先に作ると、iCloud 側の準備(フォルダの作成、同期の有効化)をアプリが代わりにやってくれます。Mac 側で場所を探して作るより、間違いが少なく済みます。

✓ ここまでの確認:Finder(Mac でファイルを見るアプリ)で「iCloud Drive」→「Obsidian」を開くと、保管庫のフォルダが見え、Mac の Obsidian でそのノートが開く。

03

part 3 — 目安 4分

やり直しにくい3つの注意

次の3つは、あとから直すのが特に大変です。

① 保管庫の中に、別の保管庫を作らない

保管庫の中に、さらに別の保管庫を作ると、リンクは保管庫ごとに閉じているので、リンクの更新が正しく動かなくなります(公式の注意)。ノートを分けたいときは、保管庫を増やさず、フォルダで分けます。

② アプリの設定の場所や、システムのフォルダの直下に作らない

アプリが自分の設定をしまう場所や、Mac のシステムのフォルダの直下に作ると、中身が混ざったり、権限の問題で書けなくなったりします。

③ 同期の仕組みを重ねない

iCloud に置いた保管庫に、Obsidian Sync や別のクラウドを重ねると、書き込みがぶつかります(OBS 01)。1つの保管庫に、同期は1つだけです。

Mac で「ダウンロードを保持」にする

iCloud は、Mac の容量が足りなくなると、ファイルを「見かけだけ」にして、中身をインターネット側に退避させることがあります。そうなると、Obsidian が「ノートが無い」と見なしたり、AI がノートを空のファイルとして読んだりします。対策として、Finder(Mac でファイルを見るアプリ)で保管庫のフォルダを右クリックし、「このMacにダウンロードを保持」を選びます。

最初にやる理由:入れ子・システムの場所・同期の重ねは、起きてから気づくと、ノートの一部が壊れたり、どちらが正しいか分からなくなったりします。「ダウンロードを保持」は、1回の操作で済みます。

後回しにすると:退避されたノートは、見えているのに中身が空、という形で現れます。気づかずに上書きすると、本物の中身を失うことがあります。

✓ ここまでの確認:保管庫のフォルダを右クリックすると「このMacにダウンロードを保持」にチェックが付いている(または、iCloud の外に置いている)。

つまずき集(症状から引く)

起きていること 原因 どうするか
Mac で、iCloud の「Obsidian」フォルダが見つからない iPhone でまだ保管庫を作っていない、または iCloud Drive がオフ iPhone で作るか、システム設定で iCloud Drive をオンにします
iPhone で、Mac で作った保管庫が見えない iCloud の「Obsidian」フォルダの外に作っている 「Obsidian」フォルダの中に作り直し、ノートをコピーします
ノートがあるのに、中身が空 iCloud が中身を退避させている 「このMacにダウンロードを保持」を選び、ダウンロードが終わるのを待ちます
同じ名前のファイルが増える(「…の競合」) 同期の仕組みが重なっている、または2台が同時に書いた 同期を1つにして、どちらが新しいかを見比べて、1つに統合します

知っておくと便利な知識

Claude Code など、AI に保管庫を読ませるとき

iCloud の保管庫の本当の場所は、「ライブラリ」の中の隠れた場所にあります。AI に場所を伝えるときは、Finder(Mac でファイルを見るアプリ)のメニュー「移動」→「フォルダへ移動」で場所を開き、フォルダをドラッグ&ドロップします。具体的な手順は LAB 003 にあります。

保管庫は、目的ごとに複数作ってもよい

仕事用とプライベート用のように、中身を完全に分けたいときは、保管庫を複数作れます。保管庫ごとにリンクも設定も別になります。ただし、保管庫の中に別の保管庫を入れてはいけません。並べて作ります。

保管庫を移す・名前を変えるとき

保管庫を別の場所へ移すときは、先に Obsidian を閉じ、フォルダごと移してから、Obsidian で「保管庫として開く」を選び直します。ファイルリカバリー(OBS 06)の記録は、保管庫の場所に結びついているので、移すと見えなくなることがあります。

NEXT

次の一歩

  • 保管庫は置き場所から決める。iPhone でも使うなら iCloud の Obsidian フォルダ
  • 入れ子・システムの場所・同期の重ねを避ける
  • iCloud に置いたら「ダウンロードを保持」にする

OBS 03

必須初期設定 ―― 添付・リンク・ゴミ箱を最初に決める

添付ファイルの置き場所、リンクの形式、削除したときの行き先を扱います。 →

※ 画面の名前やボタンの場所、プランの内容、設定の細かな仕様は、アプリの更新で変わることがあります。この記事は公式の説明(2026年10月時点)と実際に使っている環境をもとに書いていますが、動作を保証するものではありません。迷ったときは公式のドキュメントが正です。